ハロゲン化物のガラス形成―構造と化学結合からのアプローチ―

Glass formation of halide systems - An approach from structures and chemical bonds -

京都工芸繊維大学

2024-03

非酸化物ガラスのひとつであるハロゲン化物ガラスについて、これまでに報告されている種々のガラスの構造や化学結合の性質を調査した。まず、ハロゲン化物ガラスをその構造から次の二つのタイプに分類した。一つは酸化物ガラスの構造と同様のZachariasen則にほぼ従うZachariasen-typeであり、他の一つはこれとは全く異なる構造を持つNon-Zachariasen-typeである。後者は、イオン結合性であり、ガラス形成陽イオンの周りのハロゲン化物イオンは6配位以上で、化学的な秩序を保ちながらも、イオンがランダムに充填された構造であることを特徴としている。これまで報告されているフッ化物ガラスでは、BeF2(系)ガラスを除くすべてのフッ化物ガラスはNon-Zachariasen-typeに分類された。一方、フッ化物以外のハロゲン化物ガラスは、ガラス形成陽イオンとハロゲン化物イオンのイオン半径比や結合の性質を反映して、どちらかのタイプに分類された。次に、融液を急冷する方法でガラスを形成するハロゲン化物が、ガラスを形成しないハロゲン化物と比較してどのような特徴を有しているかについて、そのハロゲン化物の結晶やガラスの構造、さらには結合の性質から調査した。ハロゲン化物のガラス形成において、結合の性質がイオン結合性であるか共有結合性であるかという点に加えて、結合がどの程度分極しているかという点も重要な指標であることがわかった。

京都工芸繊維大学 学術報告書,第１６巻,2024.03,pp.1-15

1882-8779

京都工芸繊維大学学術報告書

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http://hdl.handle.net/10212/2611

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