法解釈における「立法者意思」と立法資料―ドイツ法の現状分析と日独比較

“Legislative Intent” and Legislative History in Legal Interpretation – A Comparative Analysis of German and Japanese Law

京都工芸繊維大学

2023-03

本論文は、法律の解釈における「立法者意思」と立法資料の意義について、ドイツの近年の学説を素材に考察するものである。まず、「立法者意思」の理論的な位置づけ（法的なフィクションか集団的意図か）をめぐる議論を概観したうえで、次に、実際の法解釈実務において「立法者意思」 を特定するための手がかりとして参照される立法資料の選別と使用方法に関する見解を分析する。その結果を踏まえて、本論文は、「立法者意思」と立法資料に関するドイツの方法論学説の発展の背景ではドイツの立法過程の実情が重要な役割を果たしていること、また、この背景事情が日本と 大きく異なることを明らかにするとともに、それでもなお方法論の精緻化・類型化という観点ではドイツの学説の知見が日本にも一定の示唆をもたらすことを主張する。このように、外国の方法論学説を参照する法解釈方法論研究においても、比較法的な視座から日本との構造的な差異を慎重に 見極める必要があることを最後に強調する。

京都工芸繊維大学 学術報告書,第１５巻,2023.03,pp.47-76

1882-8779

京都工芸繊維大学学術報告書

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http://hdl.handle.net/10212/2588

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