新体操パフォーマンスにおける時間的評価とその応用

Temporal evaluation and application in the performance of rhythmic gymnastics

2018-03-26

2018-03-26

本研究の目的は，新体操パフォーマンスにおける戦略的な演技構成を実現させるために，時間的評価の観点から新体操の演技傾向を明らかにし，演技指導の基礎的資料を得ることであった．　2013年全日本新体操選手権大会（27名），2013年世界新体操（10名）、2014年世界新体操（12名）、2016年オリンピック大会（10名）合計59名の女子個人競技4種目の試技，合計236試技を分析対象とし，各演技の，BDの実施個数および実施時間，また，種目別，BDグループ別の実施時間，ならびに1難度の所要時間を求めた．　得られた値を用いて，演技構成の時間的な測定評価の指標について信頼性および妥当性を検討した．日本選手権と世界新体操の国際間比較、世界大会の3年間比較には大会を被験者間因子、種目およびBDグループを被験者内因子とする2要因分散分析をおこなった．　世界トップ選手のBD実施時間は，日本選手に比べ有意に短く，種目間に差がないことが明らかとなった．更に，手具の操作特性の影響も，日本選手の各BDグループのみでみられたことから，BD実施スピードの加速と，BD準備動作の縮小により，技量レベルの高い世界トップ選手ほど1難度の時間が短縮され，BD実施時間短縮に繋がっていると考えられる．　世界トップ選手の中でも90秒の演技中のBD実施時間には約20秒の差があり，長短の傾向は同一選手の試技における一貫性が確認され，全体としても3年間の傾向に差はみられないことから，世界トップ選手のBD実施時間から各個人の戦略的な演技の傾向に繋がる知見を得た．

博士（学術）

京都工芸繊維大学

14303甲第864号

http://hdl.handle.net/10212/2459

jpn

ETD

Thesis or Dissertation

Thesis